インドのカースト制度の差別と優遇政策
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カースト制度とは、インド古来の差別的な身分制度のことです。カースト制度は、紀元前にインド・アジア大陸を制覇したアーリア人が、先住民族を肌の色で差別したのが始まりとされています。カースト制度の一番上位に位置するのは「バラモン(司祭)」と呼ばれる人で、その次が「クシャトリヤ(王侯・戦士)」と呼ばれる人達です。その下は、「バイシャ(商人)」で、その次が「シャードラ(奴属民)」となっており、その下には、不可触民と呼ばれる人達がいます。
しかし、インドが独立しカースト制度差別を禁じる憲法が1950年に施行されました。なお、ネール首相(インド初代首相)は、1951年に独立後初となる国税調査で「カースト調査を行わない」としました。これは、カースト調査をすること自体が、カーストの容認につながるとの判断からと言われています。なお、そのインド憲法では、「シャードラ(奴属民)」の下の不可触民を「指定カースト(SC)」と呼び、指定カースト以外の少数民族を「指定部族(ST)」と定めています。
1993年から、不可触民ではないが相対的に低い地位に置かれている人たち(一部のクシャトリヤ・一部のバイシャ・シャードラ)に対して「OBC(その他後進諸階級)」と認定し、優遇措置が取られるようになりました。その優遇措置ですが、地元州政府からOBCの認定を受けると、村議会で一定の議席を割り振られたり、さらに中央政府からOBCの認定を受けることが出来れば、進学や就職にも優遇措置は広がります。例えば、2010年5月に行われた国立デリー大学法学部の入試では、OBCに対して27%の優先枠が設けられていました。そのため、OBC以外の一般学生は、最低合格ラインが169点だったのに対し、OBCの学生は149点が最低合格ラインとなりました。なお、政府職員や政府系企業の採用でも、27%のOBC優先枠が設けられています。あと、OBCに認定されていれば、一定の所得以下の世帯は、商売を始めるための小口融資を受けることも出来ます。このようにOBCに認定されると、大学受験や就職や起業などで有利になりますので、OBCに認定されていない上位に位置するカーストの人達も、OBC認定を求めるようになりました。
そのOBCですが、そもそも認定基準が非常に曖昧であるため、多くの人がOBC認定を受けようと混乱が起こっています。その曖昧さの元凶は、中央政府と州レベルで認定基準が全く違うからです。例えば、選挙の票集めのために、有力カースト集団にOBC認定を乱発したりしてきましたので、OBC認定基準があいまいになって当然なのです。その数は、中央政府によるものだけで約2千にもなります。
OBCのために、就職や進学で27%の優先枠が与えられていますが、優先枠を27%にした根拠も曖昧なのです。個々のカースト集団の人数調査は、1931年に実施された国税調査が最後ですから、OBCが総人口に対してどれくらい占めているかも不明な状態で決められている27%枠なのです。
2010年は、10年に1度の国税調査が行われる年です。約80年前の調査では、下位カーストであるにも関わらず上位カーストだと偽る人もいました。しかし、2010年の調査では、逆に優遇措置目当てで上位カーストであるにも関わらず、低層カーストだと自称する人が増えているかも知れません。
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