ようこそ! 「中学生のための雑学うんちく集」へ

改正臓器移植法の内容

スポンサード リンク



1997年に臓器移植法が施行されましたが、欧米に比べると脳死の人からの臓器提供は非常に少ない状態でした。1997~2010年の全提供数は86件で、内訳は下記の通りです。

●脳死の方からの臓器提供件数
・1997年:0件
・1998年:0件
・1999年:4件
・2000年:5件
・2001年:8件
・2002年:6件
・2003年:3件
・2004年:5件
・2005年:9件
・2006年:10件
・2007年:13件
・2008年:13件
・2009年:7件
・2010年:3件
(2010年7月10日現在)

上記の通り、臓器提供が急激に増える見込みはありませんでした。しかし、現実には、臓器提供を待っている人達は多くいるのですが、臓器提供者が少ないため、国内で移植できる見込みがなく、海外での移植に踏み切るしかないのが現状でした。従来の臓器移植法では、臓器提供できるのは15才以上など様々な制限があったため、それらの制限を緩めることで、国内の臓器提供者を増やすことを目的として、2010年7月17日に「改正臓器移植法」が本格施行されました。

●改正臓器移植法の新しい内容
・本人の臓器提供に関する意思が不明でも、家族の承諾で提供できる
・本人が拒否していなければ、15歳未満の子供の臓器を家族の承諾で提供できる
・6才未満の子供に対する新しい脳死判定基準を適用する
・運転免許証に臓器提供の意思表示欄を作る
・臓器提供側の病院に、子供の専門病院を追加する
・虐待を受けた子供からの臓器提供は認めない
・生後12週未満の子供からの臓器提供は認めない
・知的障害者からの臓器提供は認めない

●臓器移植の流れ
①事故・病気などで入院し治療する
②臨床的な脳死になった場合、家族へ症状を説明する
③医師から家族へ臓器提供に関する説明をする
④家族が臓器提供の意思を提示する
⑤日本臓器移植ネットワークのコーディネーターが、家族に臓器提供の説明をする
⑥家族が法的脳死判定と臓器提供について書面で承諾する
⑦法的脳死判定を行う(2回)
⑧2回目の法的脳死判定の終了時を死亡時刻とする
⑨臓器を摘出し、移植手術を行う

家族が、法的脳死判定と臓器提供について書面で承諾する際、本人の臓器提供に関する意思が不明であっても、家族が臓器提供を承諾すれば、手続きは認められることになっています。法的脳死判定は、2回行われることになっていますが、1回目と2回目の間隔は6時間以上とし、6歳未満の場合は24時間以上の間隔をあけることになっています。

改正臓器移植法は、臓器(肺や心臓など)の移植を受けなければ、助かる見込みのない重い病気の人のために施行された法律ですから、非常に重要度の高い法律のひとつであると言えます。しかし、人間の生死に関わる問題でもありますので、非常に微妙でデリケートな部分を含んでいます。従いまして、各人の生き方や考え方によって、臓器移植に対する捉え方は違うかと思われます。臓器移植をする本人の意思を確認する必要がなくなりましたので、改正臓器移植法に反対する意見もありますし、改正臓器移植法に賛成する意見もあります。いずれにしましても、万人が納得できるような生死に関する共通概念を作り上げることは難しいと思われますが、臓器移植に関心を持っていなかった人も、今後は家族で話し合うなどの必要はあるのではないでしょうか。


スポンサード リンク