イカロス(宇宙帆船)の特徴
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1960年代に、アーサー・C・クラークが「太陽からの風」というSF小説を書いていたのですが、その「太陽からの風」は宇宙で帆に乗ってレースする話でした。その頃は、アーサー・C・クラークの想像でしかなかったのですが、2010年5月に宇宙航空研究開発機構によって打ち上げられた宇宙帆船「イカロス」で実現されています。イカロスはロケットに載せて打ち上げられ、宇宙で帆を広げる仕組みなのですが、その四角い帆は1辺が14メートルもあります。1辺が14メートルもある帆ですが、その帆の厚さは0.0075ミリで髪の毛の太さの10分の1ほどしかありません。
イカロスは、その帆を広げて移動するのですが、宇宙には風は吹いていないので、ヨットのように帆に風を当てて進む訳ではありません。帆に当てるのは風ではなく、太陽の光を当てて移動する仕組みになっています。イカロスの帆に、太陽の光を当てて動く仕組みですが、イカロスの帆の表面は鏡のようになっていて、太陽の光が当たって跳ね返るとき、光のエネルギーが少しだけ帆を押す力に変わります。その押す力は非常に弱く、地球上で0.2グラムの重りをぶら下げた程度です。そのため、時速を100キロ上げるためには約50日ほど必要とします。しかし、宇宙には抵抗となる空気がないため、上がった速度は下がることはありません。しかも、地上からの指示で、帆に当たる光の反射率を変えることが出来るため、太陽の光を受ける角度を調整することによって、イカロスの進行方向を変えることが出来るようになっています。
宇宙帆船イカロスは、金星を探査する「あかつき」と一緒にロケットに乗せて宇宙に飛び出しましたので、金星の方へ飛んで行きます。しかし、半年ほどかけて帆の機能などをチェックしたあとは、特に役目がないため放置されますので、その後は太陽の周りを回り続ける人工衛星となります。
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